女性用育毛剤の主要な有効成分五つとその効果

頭皮に良いとされる成分がたくさん含まれている女性用育毛剤ですが、その中でも特筆すべき「有効成分」というものがあるのはご存じでしょうか。ワードとしてはよく耳にすると思いますが、果たして有効成分とはどんな基準で決められているのでしょうか。
今回は有効成分とその効果について徹底解説したいと思います。

女性用育毛剤における有効成分とは

市販の女性用育毛剤のパッケージには、よく見てみると「有効成分」と「その他の育毛成分」という2種類が表記されています。これはどういう意味なのかわかりますか?
育毛剤には、その商品に配合されている全成分を記載しなければならないという決まりがあり、その中でも有効成分とその他の成分を分けて表記しているメーカーが多いのです。この有効成分というのは、いわゆる厚生労働省がその育毛効果を認めた成分のこと。つまり、一定の容量などを守って使っていれば効果が出ることを公認している成分ということになります。メーカーがおすすめの成分だからといって、どんな成分も有効成分と表記することはできないということですね。
有効成分がどのくらい含まれているのかというのは、女性用育毛剤を選ぶにあたって大切なポイントになりますから、事前に知識を持っておきましょう。
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センブリエキス
【効果:血行促進、抗酸化作用、抗炎症作用、産後の抜け毛】
センブリエキスの原材料となっている「センブリ」はリンドウ科の2年草です。花や葉、茎、根に至るまで全ての部位から有効成分として抽出したものがセンブリエキスとして使われています。センブリエキスとは、その名の通り「千回煎じてもまだ残るほど強烈な苦味が残る」ということからその名前が付けられました。「血行促進」、「抗酸化作用」、「抗炎症作用」、「産後の抜け毛」など、その効果は多岐にわたり、育毛業界でも不動の地位を築いている育毛成分です。
センブリエキスの中には、さらに細かくさまざまな成分が含まれていて、それぞれが無くてはならない役目を持っています。毛細血管の血流を促進させる働きがあり、毛母細胞や毛乳頭に栄養を行き渡らせる「スウェルチアマリン」や「スウェルチアニン」。毛乳頭そのものの細胞を活性化させ、働きを促進している「アマロゲンチン」と「アマロスウェリン」。頭皮の炎症を防ぎ、活性酵素の分泌を抑える「キサントン」や「ゲンチオビクロシド」などがその代表例です。
グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム)
【効果:抗炎症作用、フケ・かゆみ、産後の抜け毛】
グリチルリチン酸2Kとは、マメ科である甘草(カンゾウ)から抽出したグリチルリチンの誘導体を指します。よく、「グリチルリチン酸二カリウム」とか「グリチルリチン酸ジカリウム」と表現されますが、全ては同じ成分のことを表しています。
グリチルリチンとは、カンゾウに含まれる甘み成分のこと。その甘みは砂糖のおよそ200倍も数値になると言われています。優れた抗炎症作用を持つことで注目を集めており、女性用育毛剤に限らず、ニキビ化粧品などの成分としても使われています。
酢酸トコフェロール(合成ビタミンE)
【効果:血行促進、抗酸化作用、産後の抜け毛】
酢酸トコフェロールは、人工的に作られた「合成ビタミンE」というもので、ビタミンE誘導体とも呼ばれています。本来、酸化しやすく肌への浸透力も低いビタミンEですが、ビタミンE誘導体という化合物に加工することにより、体内でビタミンEに変化できるようになり、効果が発揮できるようになりました。現代ではこの技術を生かして化粧品やベビーオイルなど、さまざまな製品が作られています。
ビタミンEには末梢(まっしょう)血管(毛細血管のこと。太さ0.005mm~0.001mm)の血流をよくする、お肌の酸化を防ぐなどの効果があります。活性酸素の分泌による頭皮の酸化や、紫外線による頭皮の炎症は育毛において大きなダメージとなるため、この酢酸トコフェロールが含有されている女性用育毛剤は非常に多いです。
グリセリン
【効果:保湿効果】
グリセリンはやし油やパーム油などの植物性油脂を分解することで得られるアルコールの1種です。女性用育毛剤の他にも医薬品や化粧品、さらには食品などにも含まれており、保湿効果がとても高いことで知られています。育毛剤を使って育毛効果を最大限に得るには、潤いのある健康的な頭皮に保つことが絶対条件です。フケやかゆみが出ている、乾燥肌であるという人は特に、グリセリンを塗ることで頭皮環境が大きく改善される可能性があります。
塩酸ジフェンヒドラミン
【効果:血行促進、抗炎症作用】
塩酸ジフェンヒドラミンは、別名ジフェンヒドラミンHCIとも呼ばれ、主に風邪薬や鼻炎薬として活用されています。女性用育毛剤においては、血行促進や抗炎症作用が期待されており、頭皮の炎症やかゆみなどを抑える働きをします。
頭皮は特に外的な刺激を受けやすいため、塩酸ジフェンヒドラミンの抗炎症作用は女性用育毛剤に無くてはならない存在となっています。また、便秘やかすみ目、肌の紅潮などさまざまな副作用も報告されていますが、これらはあくまでも飲用した場合のこと。育毛剤として頭皮に塗布する形での使用であれば、全く問題ありません。
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女性用育毛剤に含まれる有効成分の効果一覧
改めて有効成分別に効果を表でまとめてみました。女性用育毛剤によってはこれらの有効成分が複数含まれている商品もあれば、1つだけというところもあります。いざ購入の際には、自分の頭皮の状態や症状と配合成分を照らし合わせてみてください。
成分 | センブリエキス | グリチルリチン酸2K | 酢酸トコフェロール | グリセリン | 塩酸ジフェンヒドラミン |
---|---|---|---|---|---|
フケ・かゆみ | × | ○ | × | × | × |
抗炎症作用 | ○ | ○ | ○ | × | ○ |
抗酸化作用 | ○ | × | ○ | × | × |
血行促進 | ○ | × | ○ | × | ○ |
保湿 | × | × | × | ○ | × |
産後の抜け毛 | ○ | ○ | ○ | × | × |
おわりに
いかがでしたか?今回は育毛に必要な有効成分を5つほどピックアップしてご紹介しました。
兎(と)にも角にも、現状自分の頭皮環境や薄毛の症状をしっかりと把握しておくことが育毛対策の第一歩です。その上で、各有効成分がどのような効果を持っているのかというのを比較すれば、利用するべき女性用育毛剤も決まってくると思います。