30代女性の薄毛の原因と対策方法

女性でも薄毛や抜け毛に悩むことがある、とわかっていても、まだ30代だから関係ないと思っている人も多いでしょう。
しかし最近は若い世代にも、薄毛の悩みが増えており、更年期前の女性でも薄毛対策に取り組む必要があります。そこで30代女性の薄毛の原因四つに対して、効果的な対策を考えました。30代の女性でも、薄毛ケアを早めにするのがおすすめです。

原因1:間違った頭皮ケアが薄毛を促進

若い女性の"薄毛"の原因として多いのは、間違った頭皮ケアです。 乱暴で不十分な頭皮ケアは抜け毛を促進させてしまいます。
頭皮は髪の毛を生み出す重要な場所ですが、頭皮は顔と同じようにごくごく薄い皮膚です。非常にデリケートな皮膚なのに、お手入れにかける時間は顔や体の皮膚ほど長くありません。頭皮ケアについては、シャンプーで洗っておけば十分だと考えている人はとても多いのです。
しかし、頭皮の薄さと顔の皮膚の薄さに違いはありません。頭皮の厚さは平均して約2ミリですから、顔と同じように優しくそっと洗ってあげなければいけないのです。
また、優しく頭皮をケアしたいならシャンプーの選び方にも注意が必要です。
一般的に、頭皮ケア=頭皮の皮脂をしっかり洗い流すこと、というイメージが強くありますが、洗浄力の強いシャンプーは頭皮にとっては刺激が強すぎることになりかねません。
皮脂分泌が少なくなり始める30代の女性の場合は、洗浄力が強すぎて、本来は頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまうこともあり、これが薄毛の原因となります。
頭皮も洗いすぎて乾燥すると、ダメージを受けてしまいます。紫外線や外気の刺激を受けた頭皮は、新しい髪の毛を生み出す力が弱っているのです。
シャンプーのし過ぎで頭皮にダメージが蓄積
薄毛が気になる女性は、シャンプーの選び方とともにシャンプーの回数も見直してみましょう。
頭皮の清潔を心掛けるのは大事なことですが、1日に2回もシャンプーをするのは頭皮へのダメージになります。
シャンプーには界面活性剤が含まれていますから、1日に何度も洗髪すると、頭皮や髪の毛に少しずつダメージが蓄積していきます。洗いすぎによる乾燥はもちろん、洗髪後のドライヤー乾燥やブラッシングの回数も倍になり、頭皮に小さな傷がつくこともあるのです。
30代女性は次第に皮膚の皮脂分泌量が減ってくる年代でもあります。頭皮の清潔を維持する以上に、保湿に心掛けて、頭皮の皮脂バリアーを壊してしまわないようにしましょう。
適切なシャンプーと頭皮マッサージが効果的
髪の毛を育てるためには、自分の頭皮や髪質にあったシャンプーを選ぶことが大切です。つぎに、頭皮を洗う時は洗顔と同じくらいソフトにすること。そして定期的な頭皮マッサージをして、頭皮を活性化しましょう。
シャンプーは適度な洗浄力があるものを選びましょう。洗浄力が強いものは皮脂分泌量が多い頭皮に適していますので、10代女性や30代の男性にあったものです。特に頭皮の乾燥が気になる女性は、洗浄力よりも保湿を優先して、アミノ酸系シャンプーに切り替えるのがおすすめです。アミノ酸系シャンプーには、頭皮や髪の毛を構成しているタンパク質のアミノ酸と同じような成分が含まれています。洗浄力はやや弱めですが、必要な皮脂を残して洗うことができるので、保湿を優先したい女性におすすめです。
そして週に1~2回は、シャンプーの前には頭皮マッサージをしましょう。マッサージオイルを手にとり、頭部全体を優しくもみほぐします。マッサージは頭皮に爪を立てず、指の腹を使ってそっともむのがコツです。マッサージオイルは専用のものがドラッグストアなどで販売されていますが、昔ながらのつばき油を使うと、頭皮と髪の毛のダメージ修復に役立ちます。
シャンプー選びとマッサージというこまめなケアが、頭皮をいたわって、髪の毛が生えてくるのをサポートしてくれます。
原因2:過度なダイエット

食事量を減らすダイエットでは、頭皮と髪に栄養がゆかず抜け毛が増加
30代女性によくみられるのが、過度なダイエットによる薄毛です。ダイエットと髪の毛には関係がないように感じますが、髪の毛も体の一部です。髪の毛は、頭皮にある毛母細胞という部分で作られており、髪の毛の成分はタンパク質です。
ですからしっかりと食事をとり、毛母細胞の細胞分裂に必要な栄養素や酸素が届かなければ、新しい髪の毛はなかなか生えてきませんし、生えてきても産毛のように細かったり切れやすかったりするのです。
バランスのいい食事は健康な髪の毛の第一歩です。髪の毛はケラチンというタンパク質でできていますから、育毛のためには高タンパクの食事がおすすめ。
といっても脂身たっぷりの肉ばかりを食べていると、今度は太りすぎて血液に脂肪分が増えすぎ、頭皮の血行も悪くなります。高タンパクで低脂肪の食事をこころがけましょう。
食事量を減らしすぎ、ヘアサイクル休止期の髪が増加
30代になると、女性は新陳代謝が次第に悪くなるため、20代のころと同じような生活をしていても次第に太るスピードが上がってきます。これはごく自然なことなのですが、もっと体重を落としたいと思うあまり、つい極端なダイエットに走ってしまうのです。
特に断食に近いほど食事量を減らしたり、特定の食材を抜いたり、反対に特定の食材ばかりを食べたりするのは、神の絵にとっていい影響を及ぼしません。栄養がかたよって体調が悪くなるにつれて、頭部全体の髪の毛が抜けて薄くなるのです。
なかには、慢性休止期脱毛症と呼ばれる病気になることもあります。慢性休止期脱毛症は、髪の毛のヘアサイクルのうち、全体の10パーセントていどにあたるはずの休止期の髪の毛が、2倍の20パーセントほどに増加してしまい、時地肌が透けるほど髪の毛の量が減ってしまうものです。
なかには頭部の広い範囲にわたって髪の毛が抜け落ちたまま生えてこないケースもあり、女性にとっては大きな問題です。
慢性休止期脱毛症の原因ははっきり解明されておらず、大きな原因としてはストレスや疲労、過度なダイエット・食事不足による貧血・亜鉛不足などがあげられます。
対策は、栄養バランスのいい食事で亜鉛を補給
過度なダイエットが原因の薄毛は、ダイエットをお休みすれば改善することが多いです。薄毛が気になったら、まず自分が食べているものを見直しましょう。食事日記をつけて、何を食べたかをチェックすることで、自分の体に足りない栄養素がわかってきます。
特に摂取したい栄養素は亜鉛です。亜鉛には、髪の毛の成長をさまたげる成分ジヒドロテストステロンの働きを抑制する効果があると言われています。他の栄養とあわせて、亜鉛を積極的にとるようにしましょう。
亜鉛は主にレバーやお肉、カキなどの含まれている栄養素です。ビタミンB6と一緒に摂取すると吸収率が上がるので、ピーナツなどと一緒に献立にいれるのがおすすめです。
亜鉛は、特にダイエットをしていない人でも不足しがちなミネラルです。食事だけでは十分とていないと感じる時は、サプリメントで補給するといいでしょう。
原因3:不規則な生活

睡眠不足は髪の毛の成長をさまたげ、薄毛の大きな原因
薄毛に悩む人の多くは、生活習慣が乱れていると言われます。特に30代女性は、仕事や家事・育児が忙しすぎて、ゆっくりと休んでいるひまはありません。つい夜眠る時間が遅くなり、睡眠時間が短くなってしまうのです。
こういった生活習慣の乱れは、ホルモンバランスや自律神経の乱れを呼びます。自律神経は緊張をうながす交感神経とリラックスしている時に働く副交感神経がありますが、忙しすぎる人やストレスが大きい人は交感神経ばかりが優位になってリラックスしている時間がありません。交感神経が優位になっている時は神経が敏感になり集中力が高まりますが、体は活動的になるため血管を収縮させています。ですから血流が悪くなり、心臓から遠い場所へは血液が届きにくくなるのです。
交感神経ばかりが優位に立つと薄毛になりやすいと言うのは、頭皮の血行が悪くなり、毛乳頭や毛母細胞に必要な酸素と栄養素が届かないからなのです。
睡眠が不足すると頭皮の皮脂分泌が過剰になり、薄毛の原因
健康な頭皮は、絶妙な皮脂バランスを保つことで、紫外線や乾燥など外界からの刺激から頭皮を守っています。しかし睡眠不足が続くと頭皮の皮脂腺が炎症を起こして、過剰な皮脂分泌を引き起こします。
脂漏性脱毛症と呼ばれるのは、過剰な皮脂が毛穴をふさいでしまい、毛穴周辺や毛根が炎症を起こしている状態です。毛穴の内部で雑菌が繁殖して毛根にダメージをあたえ、生えている髪の毛が抜け落ちます。さらに新しい髪の毛が生えにくくなるので、薄毛がどんどん進行していきます。
多少の皮脂では毛穴がふさがることにはなりませんが、睡眠不足やストレス、脂の多い食事などが続くと、頭皮の皮脂バランスは崩れて、髪の毛が生えにくくなる環境になります。
対策は十分な睡眠と生活リズムの確立
ホルモンバランスや自律神経は非常にデリケートなもので、いったんバランスが崩れると、元に戻すのに長い時間がかかります。
できれば抜け毛の量が増えたかな?という感覚があったら、意識して生活リズムを立て直すようにしましょう。まずは睡眠時間の確保です。適正な睡眠時間には個人差がありますが、最低でも連続して6時間は眠るようにしましょう。特に髪の毛の成長に関係する成長ホルモンは午後10時~午前2時の間に活性化するという説がありますから、遅くとも0時にはベッドに入り、熟睡できる環境を作りましょう。
寝つきが悪いと言う人は、夜の7時ごろに軽い運動をするのがおすすめです。ウオーキングやヨガなどでいったん体を温め、体温を上げてから就寝時間までにゆっくりと体温を下げるリズムを作ると、ベッドに入ってからすっと眠れるようになります。
原因4:遺伝

遺伝は薄毛の原因のひとつだが、それ以上に生活習慣が問題
薄毛は遺伝だから仕方がない、という意見もあります。しかし今のところ、女性の薄毛を確定させる遺伝子は医学的には解明されていません。女性の薄毛と遺伝の間の因果関係はないとは言い切れませんが、現在のところ、証明されたものは何もないのです。
むしろ、先天的な遺伝よりも、後天的な因子が重要だと考えられています。
女性の薄毛の原因はひとつではありません。加齢やホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、頭皮の血行不良や乾燥など、さまざまな原因が関与しています。これらの原因を生み出すものとして重視されるのが、生活環境や食習慣です。
例えば、両親が脂っこい食事が大好きで子供のころから同じようなメニューを食べ続けていたらどうなるでしょうか。たとえ30代であっても、脂肪分が多すぎる食事は女性の体にいい影響を及ぼしません。血液中には余分な脂肪分が蓄積されていきますし、血行も悪くなります。
こういった生活習慣は、一緒に暮らしている親子や兄弟に共通するものです。つまり、髪の毛や頭皮に悪い影響をあたえる生活習慣を家族で共有していれば、遺伝的な要素がなくても、薄毛になる可能性は非常に高くなるのです。
髪の毛の発育をじゃまする、遺伝的要素
遺伝的な要素と言ってもいいのは、男性ホルモンのテストステロンを変化させる"特殊な酵素"の分泌量です。
女性の薄毛には、女性男性型脱毛症と呼ばれるものがあります。これは何らかの理由で女性ホルモンの分泌量が減少し、瀬名性ホルモンのテストステロンが、特別な酵素である「5aリダクターゼ」の働きでジヒドロテストステロン(DHT)に変化します。ジヒドロテストステロン(DHT)は髪の毛が生えてくるのをさまたげる働きがありますから、5aリダクターゼをたくさん分泌する女性は、薄毛になりやすいと言えます。
この5aリダクターゼの分泌量については、個人差が大きく、遺伝的要素が関与していると言われます。またジヒドロテストステロン(DHT)が毛乳頭と結合する受容体(レセプター)が多いと薄毛になりやすいと言われ、これも遺伝的要素だとみられます。
対策は早めの育毛ケア

薄毛と遺伝的要素の関係はゼロではありません。ただし、遺伝的要素はそれほど決定的なものではないという側面もあります。
髪の毛によくない生活習慣のほうが、より大きな原因だと考えると、薄毛が気になる女性は、早めに頭皮ケア・育毛ケアを始めるのが良いでしょう。特に家族の中に薄毛に悩んでいる人がいる場合は、自分でも意識して早めに育毛剤を使い始めたり、頭皮マッサージをこまめにおこなったりして、髪の毛と頭皮をいたわるようにしましょう。
おわりに
女性にとって薄毛や抜け毛の問題は非常に深刻です。まして30代という若さで髪の毛が減り始めたら、気になるのが当然です。30代女性の薄毛の原因はひとつに絞れるものではありませんから、育毛剤を使って、根気よく頭皮をケアしていきましょう。
どんな育毛剤や薄毛対策も、始めてから短期間で効果が上がるわけではありません。最低でも4カ月~6カ月はコツコツとケアをして、ヘアサイクルが平常に戻るまで続けましょう。